禁煙の方法
誰でも簡単に苦労せずにタバコをやめる方法があるかと言えば、それはないでしょう。
「はじめに」のところにも書きましたが、喫煙習慣は「覚醒剤などの薬物中毒と同じ、ニコチンという薬物の中毒」なのです。
まず、このことを認識した上で「禁煙したい」気持ちがあるかどうかです?
あるのなら、やめれますよ。「禁煙する気など全くない」人はやめれるわけがないです。では、禁煙したい気はあるのに、なかなか出来ない方のための「禁煙の方法」です。
では、具体的に説明します。
何年も何十年も身体に取り込んできたものが一体何者か知る
これは当ホームページの禁煙の部屋にも「タバコの科学」や「喫煙と病気」にも書いてあります。
禁煙指導研究会(http://www.nosmoking.jp/)なども参考になると思います。
自分が長年吸い続けたものの中身はいったい何であったのか知ってください。
こんなものハムや缶詰に入っていたら犯罪です。その事実は受け止めましょう。
禁煙宣言
これは当ホームページの禁煙の部屋にも「タバコの科学」や「喫煙と病気」にも書いてあります。
。家族や友達に思い切って「禁煙してるんや」と公言するのです。これが後押ししてくれることがあります。「誰にも知られずにやめてやるんだ」なんて暗すぎます。みんなの声援や野次さえも大切なのです。そして禁煙を開始した日をカレンダーに大きくマークしてください。毎日このマークを見つめましょう。このときの気持ちを思い出しましょう。
一度ならず禁煙に失敗した方
今まで通りの方法では駄目なのです。何をするのかというと、その一つは外来受診です。定期的に外来を受診してニコチンの離脱状態を診てもらうことは、再喫煙を防ぐ重要な方法です。まあ、禁煙外来の医師の話を聞くことよりも、定期的に少しのお金を払い通院している方が禁煙にしまりがでるというか、節ができるのです。節が出来るとその禁煙プロジェクトは強固なものになります。そして担当の医師に何でも聞いてみて下さい。「先生はタバコの味を知っているのですか?」とか「タバコをやめても今までの蓄積で同じように肺癌になる率とか減らないのではないですか?」とか・・・・せっかく定期的に通うのですから、モトはとりましょう。これは禁煙には禁酒のように断酒会のようなものがないからですが、外来がそのような役割を果たしてくれます。
もう一つの方法は、あまり一般的ではないのですが、私自身がこれでうまくいったものですから、取り上げておきます。それは禁煙の実行で将来浮くであろう金額で、自分自身にご褒美を買ってやるのです。日頃欲しかったデジカメでもいいしパソコンでもいいし、ブランドのバッグでもいいでしょう。 やっと手に入れたというのがいいですね。心はそれに向いているので、禁煙が比較的楽になります。禁煙した日から、カタログを集めて買うものを探しましょう。そして、しんどいと言われる1週間を乗り切りましょう。通信販売で買った場合、品物が家に来るまでワクワクで、禁煙していることさえ忘れるくらいです。またそのくらい欲しかったものを思い切って買うのですから、公言しているのですから、簡単には火のついたタバコには、手を出せませんね。そしてその品物は禁煙と引き替えに手に入れたものですから、いつまでも忘れることはないでしょう。この方法を何度も実行しては駄目ですよ。一回切り有効な方法です。
再喫煙
そんな方はこう思っているのです。「まあ、1本ぐらい吸ってもその後やめておけば禁煙続行だ」と。
しかしそんなに甘くないですよ。1本吸ってしまった人は原則そこで、禁煙は終了です。
ほとんどの方がその日のうちに自分でタバコを買いに行きます。決して「1本だけ」というのはないのです。このことを頭にたたきつけておいて下さい。ですから、禁煙が終了する危険はいたる所にあるわけです。歓迎会・送別会・忘年会・結婚式などです。仕事が終わって雑談の時もそんな危険がまっています。
「その1本がなければ禁煙成功」なのです。
ニコチンガム(ニコレット)
最近は薬局にもニコチンガム(ニコレット)が売られています。
また、当クリニックにもニコチンのパッチ(身体に貼るもの=ニコチネルTTS)を置いています。
この手のニコチン補充療法について説明します。
タバコの煙に含まれる成分の中でニコチンは速やかに依存性が出てきます。つまりニコチン中毒になると言うことです。血液中からその濃度が減ると、欲しくなるのです。その依存性をブッチと切るのではなく、やんわりと断ち切るための方法として、禁煙と同時にニコチンだけを煙でない形で補充するのがニコチン補充療法です。
それは、もちろんタバコを吸うより健康のことを考えるといいわけで、発癌物質・有害物質などは当然入っていません。
しかし、1日分の料金はタバコ1箱の倍近くになります。何年も補充療法をするわけではなく、徐々に補充の方も減らしてゆき、ニコチンともおさらばするのです。
減煙~禁煙といって、タバコを急にやめるのではなく、ゆっくり減らしてゆき最終的に完全にやめるという方法は、誰もが試みるのですが、うまくゆくことはまずないです。やはり禁煙はある日突然、「いい日旅立ち」ですよ。
そんなわけで、突然やめるにはそれなりの苦痛が伴います。それを和らげてくれるのがニコチン補充療法です。
この補充療法でうまくいく人もいるのですが、うまくいかない人もいます。
ガムの場合は入れ歯にくっつくとか、顎がだるくなるとか・・・。パッチの場合はやはり皮膚のかぶれですね。
出来るだけ使用方法を、熟読してその通りするのがコツです。