2006年6月〜2007年12月までに約400人の方が当クリニックの禁煙外来を受診されました。
 このページでは、あえて失敗例を紹介させていただきました。失敗なく標準治療期間内に禁煙を達成され卒煙されるための参考にして頂けたらと思います。

事例1 53歳、男性

喫煙歴
 16歳から37年間 1日40本
既往歴、現病歴
 特記なし
禁煙のきっかけ
 飲食業。健康のためタバコを止めようと思われていたとき、禁煙外来通院中の方に出会い、禁煙を決意し来院される。
禁煙経過
 初診平成19年2月、ニコチン依存症スクリーニングテスト「TDS」9点・「FTND」6点、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)1480、呼気CO30ppm、COHb5.33%、喫煙歴も長く依存度も高い状態であった。禁煙開始にあたって、タバコ、灰皿、ライターを処分して頂き、開始する。飲食業を営まれており、禁煙することで味覚の変化も楽しみに禁煙を成功させましょうと、声かけをさせて頂く。
 2回目受診、呼気CO12ppm、COHb2.4%、喫煙レベルのデーターであった。禁煙状況を伺うと、禁煙開始から3日間は我慢でき、それ以後は日に2〜3本、ここ数日間は10本程度まで増えているとのことである。家では吸われないが、お店の前にタバコの自販機があり、我慢できなくなったときタバコを買われ、職場での喫煙が続いている。禁煙の意志を確認すると、もう一度頑張るとのことなので、どうしてもタバコに手が出そうな時はニコレットの併用もできることを説明し、再スタートする。


事例2 43歳 男性

喫煙歴
 10歳から33年間 1日40本
既往歴、現病歴
 統合失調症
禁煙のきっかけ
 禁煙外来受診中の方に勧められ、健康のためと決意され受診される
禁煙経過
 初診平成18年9月、ニコチン依存症スクリーニングテスト「TDS」10点・「FTND」10点、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)1320、呼気CO78ppm、COHb12.8%もあり、依存度が高く、規定の治療内では禁煙は難しいと思われた。しかし、2回目受診時、呼気CO1ppm、COHb0.14%、3回目以降も呼気CO1ppm、COHb0.14%と禁煙を裏付けるデーターであり、ニコチンの離脱症状も殆ど無く、禁煙に成功した。治療が終了するまでに体重が9kg増えてしまい、食事の見直し、ウォーキング、スイミングを勧めた。
 精神障害者の方が当クリニックを受診され、30.8%の方が禁煙に成功されています。精神障害を持っていらっしゃるからこそ禁煙の意味も大きいと思います。「やめられるものならタバコをやめたい」と思われている方には受診をおすすめします。


事例3 62歳 男性

喫煙歴
 20歳から42年間 1日60本
既往歴、現病歴
 10年前ニコチネルTTSを使い、半年間禁煙
 本年2月肺炎のため9日間入院
禁煙のきっかけ
 肺炎による入院の際9日禁煙。引き続き禁煙をするように主治医に勧められ、退院直後に受診。
禁煙経過
 初診平成19年2月、ニコチン依存症スクリーニングテスト「TDS」9点・「FTND」8点、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)2520、呼気CO1ppm、COHb0.14%、依存度は高いが呼気CO・COHbは正常値であった。来院時、タバコが吸いたくて、吸いたくてと、落ち着きなく、離脱症状が強い状態であった。入院中のCTでは肺気腫も認め、症状の悪化予防、タバコの害について説明をする。ニコチネルTTSは直ちに貼るように説明する。


事例4 27歳、女性

喫煙歴
 12年間 1日30本
既往歴、現病歴
 特記なし
禁煙のきっかけ
 結婚を控え、結婚後の生活が米国で喫煙できる環境でないため、禁煙を決意し来院される。
禁煙経過
 初診平成19年6月、ニコチン依存症スクリーニングテスト「TDS」9点・「FTND」7点、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)360、呼気CO48ppm、COHb8.60%、未成年からの喫煙で依存度も高い状態であった。喫煙のタイプは、タバコを吸うと考え事に集中できる、考えがまとまりやすいなど、「思い込みタイプ」での得点が高かった。禁煙外来には予約通りに受診することが殆どなく、パッチが不足して吸ってしまうなど、基準の外来診療期間では完全に禁煙することができなかった。再三1本吸えばその時点で禁煙者でなくなること、1本吸えば次のタバコが吸いたくなり、いつまでも禁煙できないことを指導するが、半年経った現在も卒煙できないでいる。渡米するまでには禁煙したいという意志はあるが、「1本だけ・・・1本だけ・・・」タバコの誘惑に負けてしまい、現在自費で治療を継続中である。
 「1本だけ・・・」の誘惑に負けないで、強い意志で禁煙に成功していただきたい。


事例5 47歳 男性

喫煙歴
 20歳から27年間 1日50本
既往歴、現病歴
 特記なし
禁煙のきっかけ
 禁煙が取りざたされている事を知り、健診では異常は無いが、このまま一生タバコを吸っていいものか、禁煙の決意が不十分な状態で受診される。
禁煙経過
 初診平成19年9月、ニコチン依存症スクリーニングテスト「TDS」9点・「FTND」9点、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)1350、呼気CO44ppm、COHb7.8%、依存度は高いが禁煙の意志が弱いため、タバコに含まれる有害物質、タバコと病気の関係など喫煙の有害性を説明し、動機の強化を行ってから禁煙治療を開始する。喫煙のタイプはくつろいでいる時に吸いたい「いっぷくタイプ」とタバコが切れると不安になる「耽溺タイプ」での得点が高かった。どんな状況の時に吸いたくなるか観察して頂き、喫煙と結びついている今までの生活行動パターンを変える方法をアドバイスしたが、最後まで禁煙治療の障害になった生活行動パターンは、同僚と共にする「昼食+コーヒー」後の1本のタバコでした。タバコがコミュニケーションの手段であり、楽しみの1つになっているなど心理的依存も高く完全禁煙が難しい事例であったが、パッチを貼らないで3週間の禁煙まで確認できた。標準治療期間中に完全に卒煙までには至らなかったが、3ヵ月後の禁煙状況を確認予定。


事例6 64歳 男性

喫煙歴
 20歳から40年間 1日20本
既往歴、現病歴
 胃潰瘍
禁煙のきっかけ
 健診で禁煙を勧められ、家族の強い要望もあり受診。
禁煙経過
 初診平成19年8月、ニコチン依存症スクリーニングテスト「TDS」6点・「FTND」6点、ブリンクマン指数(1日喫煙本数×喫煙年数)800、呼気CO17ppm、COHb3.33%、20歳からの喫煙で、現在胃もたれ、息切れ症状もあった。喫煙のタイプは何かに腹が立つと吸う「あこがれタイプ」と「いっぷくタイプ」での得点がやや高かった。離脱症状に頭痛があったが渇望感は軽度あるのみで、経過は順調であった。禁煙の効果として奥さんに注意されなくなった。吸殻を隠さなくてもよくなったと述べられるなど、記念が安定している様子であった。2ヶ月目の受診時、強いストレスのためイライラが我慢できなくなって吸ってしまったとのこと。禁煙はしたいと思うが吸ってしまう。禁煙に自信が持てないなど精神的に不安定な状態のため、精神安定剤が処方され再び禁煙を開始したが、卒煙できなかった。

 禁煙してみようと思われた方、決意が揺らいでいる方へ。
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